ウルトラ超入門

フランス語には、たくさんの細かい規則があります。それらを全部説明するとなると本1冊書けてしまいますが、ほんの少し決まりごとを知っているだけで、ずいぶんフランス語が身近に感じられるのではないでしょうか。ここでは「学習」というような堅いアプローチの仕方ではなく、雑学的に「フランス語ってこうなんだ」というイメージを持っていただくために、ごく簡単な決まりごとを紹介いたします。更に詳しいことをお知りになりたい場合は、「フランス文法質問箱」でお尋ねください。

1.フランス語には男性名詞と女性名詞の区別がある
フランス語の名詞は少数の例外を除いて、すべて男性名詞か女性名詞の区別があります。例を挙げましょう。
père(ペール)「父」:男性名詞   mère(メール)「母」:女性名詞
これは分かりやすいですね。お父さんって男性だし、お母さんって女性ですもの。けれども次のようなものになると、どうして?と不思議でもあります。
jardin(ジャルダン)「庭」:男性名詞  maison(メゾン)「家」:女性名詞
このように、人や動物以外の名詞にも男性・女性の区別があります。単語自体でもうどちらなのかが決まっているのです。単語の意味からどちらなのかを判断することは生物以外の場合難しいですね。結局覚えるしかありません!

2.形容詞は変化する(位置も英語とは逆)
形容詞は、それが形容する名詞が男性名詞か女性名詞か、また単数名詞か複数名詞かによって、一般には形が変わるのです。
pull gris(ピュル グリ)「グレーのセーター」  jupe grise(ジュプ グリーズ)「グレーのスカート」
「グレーの」という形容詞のスペルは基本的にはgrisで、セーターは男性名詞なので、これにつくときはこのままの形です。けれどもスカートは女性名詞なので、形容詞も女性形にしなければいけないという約束事があり、griseというスペルに変わります。また、このように形容詞は通常、名詞の後ろにつくものがほとんどです。
livre blanc(リーヴル ブラン)「白い本(1冊の場合)」  livres blancs(リーヴル ブラン)「白い本(数冊の場合)」
今度は同じlivre「本」という名詞に同じ「白い」という形容詞をつけてみました。本が複数の場合、「白い」にもsの文字がついているのがお分かりですね。これは複数名詞に形容詞がつくときは、形容詞も複数形にしなければいけないという決まりによるものです。

3.動詞は主語によって変化する
英語では、be動詞は不規則ですが、あとの動詞はせいぜい主語がheやsheのときに、動詞の語尾にsがつくくらいですね。フランス語では主語によって動詞の形がずいぶん違います。
Je chante.(ジュ シャント)「私は歌う」   Vous chantez.(ヴー シャンテ)「あなたは歌う」
Nous chantons.(ヌー シャントン)「私たちは歌う」

「歌う」という動詞の原形(辞書の項目に出てくる形)はchanter(シャンテ)というスペルなのですが、これが主語によって上のように語尾が変化します。

4.単語の最後の文字は発音しないことが多い
これは皆さんが気づかないだけで、きっと日頃よく目にしていらっしゃいますよ。
Paris(パリ)  Saint-Laurent(サン-ローラン)
フランスの首都パリは誰でも知っている都市名ですね。英語では「パリス」と発音しますが、フランス語では最後のsは読みません。ブランド名としても有名なサンローランはこんなスペルです。Saintの最後のtと、Laurentの最後のtを発音しないのです。

5.単語をつなげて発音することが多い
フランス語が流れるような美しい音に聞こえるのは、このためです。2つの単語なのに、まるで1つの単語のように聞こえることもあります。
mon oncle(モノンクル)「私の伯父」  les amis(レザミ)「友人たち」
関連の深い単語同士では、後ろの単語の頭が母音のとき、このように続けて発音します。mon oncleはバラバラに発音すると「モン」と「オンクル」なのですが、決して「モンオンクル」とは読まないのです。les amisのほうは少し難しく、バラバラだと「レ」と「アミ」ですが、つなげて読むときはlesの最後のsを発音するようになり「レザミ」となります。


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