Re: 直説法の過去時制について・・・ ( No.1 ) |
- 日時: 2008/05/21 17:48
- 名前: てふママ
- まずUn petit platさんは、日本語訳にとらわれすぎていらっしゃるように思います。
「(いや〜)、昨日はツイてなくてですね・・・」と言いたいのなら、半過去ではなく、複合過去です。もしくは大過去。 この表現で使われている動詞choisirは「状態」ではなく、「行為」をあらわしますよね。そもそもmal choisir son momentを「ツイてない」と訳すこと自体、かなり意訳であって、元々は「好機をうまく選ばない」という意味ですから、これを半過去にすると、「好機をうまく選ばない」ことが進行中である意味になってしまいます。完了形にしないと、ツイてないという意味にならないわけです。
単に「(いや〜)昨日はツイてませんでした」という、ごくありふれた返し文句なら、複合過去です。
「(いや〜)、昨日はツイてなくてですね・・・」と言って、その後に具体的にどんなツイてない出来事があったかを説明するのなら、大過去にして、ツイてない出来事を複合過去で並べる、ということが可能でしょう。ただ、物語などならそれはよくありますが、会話で果たしてそう言うかどうかは、正直確信は持てません。単にすべて複合過去で言ってしまうほうが多いような気がします。それに「昨日」という言葉を一緒に用いるのだと、大過去は使わないように思います。
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Re: 直説法の過去時制について・・・ ( No.2 ) |
- 日時: 2008/05/21 20:15
- 名前: Un petit plat
- そうですか・・・、『半過去』は無理ですか・・・。
「行為」であることは承知の上で、だからこそ『半過去』で言えば、その時のことを思い出しながら話をしようとしているニュアンスを与えると思ったのです。
うまく言えませんが、動詞が「状態」を表すか、「行為」を表すかを『半過去』の選択の基準にはしていませんでした、、、
多分ですが、「un peu plus」や「un moment de plus」を前に付け加えれば、あともう少しで、「ツイいない」という結果を招くところだった・・・と表現できるのでは?とも考えていたくらいですから・・・。
基準にしているのは、視点が過去のある時点にタイムスリップ(?)して、時の当事者(?)になるか否か・・に置いていました。
ですから、お返事頂いたお言葉をお借りすれば、 >これを半過去にすると、「好機をうまく選ばない」ことが進行中である意味になってしまいます。 とありますが、『半過去』を使えば現在とは「言葉の時間軸上は断絶されている」ことを表しますから、むしろ進行中にはならず、どちらかと言えば、過去進行形っぽく伝えることになり、それが結果として過去を振り返って思い出しているニュアンスを生み出すのではないか・・・と考えてしまったのです。
そして、それが現在にも及んでいるか否かは、そもそも『半過去』の守備範囲ではないと。 なぜなら、「断絶」されていますから・・・。
『大過去』については、むしろ「ツイていなかった」という日本語訳だけでは表現できない「後悔の念」らしきニュアンスを織り込むことに重きを置いて考えてみたのですが・・・。
自分の理解不足を思わざるを得ない、『複合過去』がノーマルという結果に、我ながらうな垂れてしまいます(笑)
今回も本当に、ありがとうございました!
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Re: 直説法の過去時制について・・・ ( No.3 ) |
- 日時: 2008/05/21 21:34
- 名前: てふママ
- > むしろ進行形にはならず、どちらかと言えば、過去進行形っぽく伝えることになり、それが結果として
> 過去を振り返って思い出しているニュアンスを生み出すのではないか・・・と考えてしまったのです。
このへんが、どうも行き違いがあるのかも知れませんが、私が「進行形」と申しあげたのは、もちろん過去進行形の意味です。 単純に考えてみてください。「私は外出していたのよ」をフランス語に直した場合、「外出していた」は過去進行の意味だから半過去になって、je sortaisとなると考えるのは間違いだというのと同じことなのです。sortirは行為をあらわしますから、je sortaisだと「私は出かけつつあった」の意味になります。choisirはこのsortirと同じ性質と考えていただければよいと思います。逆の言い方をすれば、「ツイていない羽目になりつつあった」なら、半過去が可能だということになります。でも最初に提示してくださったのが、「昨日はツイてなくて…」と、昨日のことをひとくくりにして述べる表現だったので、半過去はありえないと申しあげました。 大過去は、複合過去で述べる事柄の前提を提示しているに過ぎません。「昨日はね、Aをして、Bをして、それからCをしようとしたのだけれど、ツイてなかったのよね、Bをしたあとで、友だちにつかまっちゃったのよ、で、時間がなくなっちゃった」というような話の流れのときに、「ツイてなかった」の部分を大過去にして、ほかは複合過去にするという関係性の上で成り立ちます。これには、「後悔の念」というようなメンタルな要素はないと思います。 mal choisir son momentの適当な日本語訳はあるかと考えていたのですが、「タイミングが悪い」「間が悪い」というニュアンスが近いのではないかと思い当たりました。
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Re: 直説法の過去時制について・・・ ( No.4 ) |
- 日時: 2008/05/21 23:20
- 名前: Un petit plat
- てふママさん、改めましてこんばんは。
まずは「進行形」を現在にも及ぶ「現在進行形」たるものであると履き違えて理解していたことを深くお詫びいたします。
そして、このように再度、ご意見を書いてくださったことに深くお礼を申し上げます。 その御好意に甘える形で、もう一度だけ「ここが間違っている」というご指摘をお願いいたします。
お話の焦点を >je sortaisだと「私は出かけつつあった」の意味になります。 にしましょう。
もちろん、おっしゃる通りですが、これがその意味を成すためには、 「あと、もう少しで・・」や、「彼がわたしの家に来たとき・・」という時間軸の設定と共に理解されるものだと思っています。 一方、「trois jours après」を前置きすれば「3日後、○○を出たのであった・・」とも、程度副詞「si」を付ければ「もし、外出したら・・」とも訳せるはすです。(← 直説法から逸脱しますが・・)
ということは、「je sortais」という言葉自体はパラサイト的な、話の状況次第のものであり、あくまで「un peu plus」などと共起するからこそ「出かけつつあった」となるのではないでしょうか? そして、「外出していた」が複合過去なのは、あくまで「過去の出来事」として捉えていて、決して当事者目線ではないからです。 究極的な話、「出来事の起きた客観的な時間軸」と「選択する時制」には何ら関係ないと思っています。 なぜなら、「頭の中の時間軸」(=目線や心理)が時制を決めるたった一つの要素だと思っているからです。
ですから、「ツイていない」にお話を戻すと、おっしゃる通り、「進行形」と取れます。 しかし、それが故に>「ツイていない羽目になりつつあった」という状況が一日中続いたということはあり得ない(常識として・・)、且つ小説や物語ではありませんので、「タイミングが悪いのであった・・」なんていう解釈もおかしい。 従って「会話の状況」からして、「昨日のツイていない状況を思い出しながら会話しようとしている」として解釈され、もしそれが「過去進行形」の範疇に属するのであれば、それはそれで構わないのでは? 例えば、「今朝、何をしていましたか?」の返事を複合過去で又は半過去で羅列することが、「話し手の自由」の許容範囲であるが如く・・。
最後に、『大過去』について少しだけ・・・。 例えば、「一番おいしいと思ったケーキを選んだ」、「でもおいしくなかった、、」という「事実」(字面ではありません)を仏文にする場合、最初の「choisir」を複合過去でも大過去でも構わないのではないでしょうか? どちらにしても、その後に「mais」や「en tait」で切り返すわけですから・・・。 では、なぜ『大過去』にするかと言えば、「選んでしまった」という「後悔の念」がそうさせるのではないかと・・・? 「どちらでも意味は一緒」という時制は、あり得ません(それなら、選択するという行為の意味がなくなります)
「私が駅に着いた時、電車は出発してしまった」--- いかにも教材的な例文ですが、そもそもこの事実を伝えることの真意はなんなんでしょうか? 単に事実を伝えたいだけでしょうか? それなら「出発してしまった」と訳さなくてもいいのでは?(と、大過去のページをめくる度にそう思います・・) 従ってケーキの例文で、複合過去を選ぶ余地を認めること自体が間違いであるのであれば、わたしの考え過ぎですなんですが・・(笑)
以上が、わたしの頭の中です。 正直ここまで深く考えたこともありませんが、頭のタンスの引き出しの衣服を畳に広げてみるとこんな感じです。
えらく、それこそ大風呂敷を広げたお話になってしまいましたが、ご指南を頂ければ幸いです。 「何と言われようが、無理なものは無理!」「時制自体にそんなニュアンスは持ち合わせていません!」でももちろん結構です。 ただ、なぜ「否」なのかをもう少し深く知りたいのです。 本当に、すいません、、、
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Re: 直説法の過去時制について・・・ ( No.5 ) |
- 日時: 2008/05/22 21:32
- 名前: てふママ
- うーん…論点をどんどんずらして来ていらっしゃるので、結局何がUn petit platさんの中で問題なのかが正直よくわからないのですが(^^;;
つまりは、私が「(いや〜)、昨日はツイてなくてですね・・・」には半過去は使えないと申しあげたことに対し、昨日の状況を思い出しながら振り返っているのなら、半過去が使えるのでは?と、思っていらっしゃるということでしょうか? だとしたら、論点はそこではないんです。繰り返しになりますが、je n'ai pas de chanceなどと異なり、mal chosir son momentという表現は完了形で使わないと、「ツイてない」の意味にならないという一点を私は申しあげているつもりなのですが…
論点ではないですけれども、半過去の用法の話に移りますと、私の知る限りでは、過去の状況を思い出しながら、話に生彩を与えるために使う半過去は、文章語に限られており、「描写の半過去」と呼ばれる用法に属するものでしょうから、まず会話では使わないはずです。 そしてje sortaisの例を出したのは、私は「外出していたのよ」と言いたい場合に半過去は使わないと単に言いたかっただけで、半過去の解釈に言及する意図は特にありませんでした。sortirは行為ですから、「外出していた」をあらわすには「完了相にしなければならないということを示そうとしたにすぎないのです。 最初に、会話で、とおっしゃっていたので、すべて会話を前提としてのご説明でしたから、 >「trois jours après」を前置きすれば、「3日後、○○に行ったのだった・・」とも訳せるはずです。 と「描写の半過去」のことまで、Un petit platさんが持ち出されるのは、少々意外でした。
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Re: 直説法の過去時制について・・・ ( No.6 ) |
- 日時: 2008/05/22 22:39
- 名前: Un petit plat
- 連日のこんばんわです。
かなりお手を煩わせてしまったみたいでどうもすいません、、、
しかし、>過去の状況を思い出しながら、話に生彩を与えるために使う半過去は、文章語に限られており、「描写の半過去」と呼ばれる用法に属するものでしょうから、まず会話では使わないはずです。
これで、十分なのです! そう、わたしが半過去を選択した理由は、いや〜)、昨日はツイてなくてですね・・・」と、その後にツイていない出来事をしゃべる」 即ち、「昨日のツイていない状況を思い出しながら会話しようとしている」=「描写の半過去」でもって、会話で出来事を切り出せるか?なんです。
NO.1の下位部分に申しました通り、>半過去についても同様に、上述のようなニュアンスで使ったことは1度もありません。 が前提でのお尋ねが趣旨でしたので、「会話ではあまり使わない」という物差しがあるのであれば、それで十分なんです!
でも、あまり「描写の半過去」とか「確認の半過去」とかっていう理解の仕方をしていないので、この言葉が出てきませんでした、、、(すいません)
そして、 >mal chosir son momentという表現は完了形で使わないと、「ツイてない」の意味にならない に関しては、わたしの読解力不足でして、そもそも「半過去」すれば、そういう状態が続いていたことを表現できるものだと勝手に理解していました。
お詫びとお礼を重ねて申し上げます!
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Re: 直説法の過去時制について・・・ ( No.7 ) |
- 日時: 2008/05/23 02:19
- 名前: 差し出がましいですが
- こんばんは、はじめまして。
実は、文法というよりも、その域を超えた言葉の本質レベルでのやり取りに昨日から興味を持って静観させていただいてました。結果時に論点外のようでしたが、 >究極的な話、「出来事の起きた客観的な時間軸」と「選択する時制」には何ら関係ないと思っています。 >「頭の中の時間軸」(=目線や心理)が時制を決めるたった一つの要素 こんなこと、なかなか言えませんが正論だと思います。
さて、>過去の状況を思い出しながら、話に生彩を与えるために使う半過去は、文章語に限られており、「描写の半過去」と呼ばれる用法に属するものでしょうから、まず会話では使わないはずです。 に関して補足として一言。 使うか使わないかは、話のネタ次第です。 ぼくは、フランス人からよく Tu disais que 〜 ,mais pourquoi?などと質問されます。 日本語でいう「〜と言っていましたが、どうしてですか」くらいのものでしょう。 もちろん、ここに「昨日や先週の月曜日」の言葉も付きます。 わたしは命名好きですので、これを「蒸し返しの半過去」と呼んでいますが、そんなことはどうでもよくて、これは「描写の半過去」です。 聞き手さんが、勝手にある過去の時点を思い出しながら話を始めているのです。 「言う」で成り立つのですから、どんな動詞でも成り立つはずです。 逆にこれを複合過去で始めると話のつながりがややおかしくなります。「言いました」だからです。
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Re: 直説法の過去時制について・・・ ( No.8 ) |
- 日時: 2008/05/23 02:21
- 名前: 差し出がましいですが
- (上レスの続きです)
しかし、ふてママさんの見識の通り、なぜ自分の事をこの用法で始めると「進行形」と取られてしまうのか・・・、それは聞き手さんの方にも思い描く共通の記憶がないからです。 「昨日、風邪をひいた」を半過去で話すと、一日中ずっと風邪をひいていたことになるのと同じです。 聞き手さんには「昨日」という空間しか思い描けないので、そう理解されてしまうのです。(いや、そう理解せざるをえないのです) 対して、ややマイナーですが、小説などで採用される「開始の半過去」も含め、これら半過去が成り立つのはなぜか・・・、それは読み手さんが「これは小説だ」という前提で半過去を吸収するからです。 小説の中に出てくる全ての定冠詞名詞に「その警官って誰?」「その家ってどこ?」と問わないのと同じです。(いわんや、問うたところで返事は返ってきませんが・・)
末辞として、やや小声でですが、大過去には「後悔又は叱責」というニュアンスを持っています。 しかし「持っている」というだけで、それだけではありません。単に出来事の時空間の定位位置を示すという大切な役割も持っているのであり、むしろ文脈や状況により、ニュアンスというのが醸し出されることもある、という立場です。(ぼくは) >複合過去が味気ない、と言っておられましたが、それは「過去の完了事項を提示する」それ専用の時制だからです。従って、ある意味無味無臭なので、そう感じられたのでしょう。
少しはun putit platさんの解決のヒントになればと思い、差し出がましい記述をしてしまいました。 (お叱りは、素より承知の上です) もし、こちらの誤認・見識違いがございましたら・・大変恐縮ですがふてママさん、その時は修正をお願い致します。 乱文にて失礼。
訂正が1点 7レス目・下から3行目 ×「聞き手さん」→○「話し手さん」 あしからず・・・。
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Re: 直説法の過去時制について・・・ ( No.9 ) |
- 日時: 2008/05/24 00:49
- 名前: てふママ
- 昨夜は仕事の関係上、あまり時間がなくて、意を尽くせないまま書いてしまったと自分自身感じておりましたので、あらてめてと思っておりましたところ、差し出がましいですがさん(そうお呼びするのも変なのですが、ハンドルネームをお示しでないので、とりあえずということでごめんなさい。以下で「差し出さん」と略させていただきます)が、論理的に整理してくださって、大変ありがたく思っております。
でも当初の問題から、どんどん話がずれて広がってしまったことに、私は少々とまどっております。
すみません、今夜もまた仕事に戻らねばなりませんので、あらためて続きを書かせていただきます。
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