Re: Terre du ciel ( No.1 ) |
- 日時: 2008/11/06 17:03
- 名前: てふママ
- クルツさん、こんにちは。
私もその小説については、まったく何も知識がありません。 Terre du ciel は、とくに成句的表現ではないと思います。
きわめて素直に、Terre du ciel という表現に接した場合には、単に「空の大地」という意味に私は取ります。まず連想するのは、空まで果てしなく続くかのように、上へ上へと伸びた山岳地帯の段々畑(マチュピチュ遺跡のような)でしょうか。空にある土地(例えば地球以外の天体の)というイメージより、あくまでも地球に属していて、限りなく天の領域にまで入り込んでいる土地(例えば高い山)を、まず想像しますね。
そういう印象からすれば、「選ばれし地」とか「天上の土地」という訳語は、最初には思い浮かびません。次の段階として、これが宗教的な色合いを帯びる言葉であるという手がかりでもあれば、まったく異なってくると思います。その場合は、「天上の土地(大地)」ということになるでしょう。
ただ、正直言えば、この表現は宗教的色合いを持つものだとすれば、やや胡散臭い印象を私は持ちます。天と地とは本来対極に位置するものですよね、天を男、大地を女ととらえるのも古くから存在する考え方です。並列や対立ではなく、所属(ないし所有)の概念があるということで、何となく怪しげな新興宗教のスローガン(?)みたいに聞こえるのです(笑)
そんなわけで、願わくば素直なニュアンスであってほしいという希望をこめて、単に「空の大地」と解釈したいところです。
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Re: Terre du ciel ( No.2 ) |
- 日時: 2008/11/06 22:43
- 名前: クルツ
- ご返答、委曲をつくしていただいて合点がいきました。
ぼくはこれといった根拠もなく多少とも宗教性を帯びた作品じゃないかとふんでいましたので、訳語をさがす際にも着想がそっちへ引っぱられる感じで、「天上の土地」とか、さらに踏み込んで「選ばれし地」なんかを考えましたけれど、おっしゃるとおりやや胡散な印象を免れませんね。たしかに新手の宗教の看板のようです。語義を考えるとき、具体的なイメージをふくらませる仕方が有効なのですね。ぼくは割合抽象的に考える傾向があるようなのでたいへん勉強になりました。 ありがとうございます。 またよろしくお願いします。
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