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la ou il n'a pas de lunettes
日時: 2009/06/23 00:01
名前: クルツ

てふママさん、こんばんは。
さっそくですが、下の文章をお読み下さい。

C'est Agnan qui a recu le pied, heureusement, la ou il n'a pas de lunettes.

級友のBがCを蹴飛ばそうとしたら、Cはたくみに身をかわし、Aがそのとばちりを食ったというくだりです。Aはクラスでいちばん頭のいい生徒で、いつも眼鏡をかけています。さて、そこで、la ou il n'a pas de lunettes というのは、眼鏡をつけていない場所を蹴られた、という意味にも、眼鏡をかけてない折りに(眼鏡をはずしているところを)蹴られた、というふうにもとれるように思うんですけれど、いかがでしょうか。ふつうに読めば前者の解釈で間違いはないように思えるのですが、実はこの文章のあとに、

Ca ne l'a pas empeche, Agnan, de se mettre pleurer et a hurler qu'il ne voyait plus, que personne ne l'aimait et qu'il voulait mourir.

とつづきます。どうでしょうか。ごくかんたんな文章ですけれど、ひとたび読みに迷いがでると、判然と解けなくなってしまいます。
ご教示よろしくお願いします。

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Re: la ou il n'a pas de lunettes ( No.1 )
日時: 2009/06/23 09:12
名前: てふママ

クルツさん、こんにちは。

Petit Nicolasですよね。読んだ覚えがあります。
確かに迷う表現ですね。文脈からとらえると、「眼鏡をつけていない場所」ととると自然かも知れませんが、フランス語構造から考えると、どうも、là oùを場所の意味にとると、関係節の動詞recevoirと馴染まないように思えるのです。ちょっとうまい説明の言葉が見つかりませんが、例えば動詞がtrouverなどだった場合は、「そういう場所に見いだす」ですから、極めて明確なのですが、recevoirだとそういう風に繋がるかどうか疑問なのです。時の用法としての「その折りにAは眼鏡をかけていない」ととるほうがフランス語としては自然なように私には思えました。

これに続く文章は、là où il n'a pas de lunettesをどちらに解釈しても、自然に繋がると思いますので、判断の手がかりにはならないような気がします。でも、「蹴った足が当たったのはAだ。幸い、Aはそのとき眼鏡はかけていない。だというのにAは見えなくなっちゃった、云々と騒ぎ出す」という流れがわかりやすいかなとも思います。あまり自信はありません(^^;;
Re: la ou il n'a pas de lunett ( No.2 )
日時: 2009/06/23 21:23
名前: クルツ

ご回答拝読。

なるほど、recevoir を手掛かりにするんですね。ぼくは、il n'a pas de lunettes の方にばかり注意を向けていました。身につけるという意味での avoir の例文として、il a un casque sur la tete. を見て、矢っ張り身につけている部分(場所)を示すのが自然なのかなという判断でした。だけど、recevoir に着目すると、ご指摘の通り、それでは表現がなじまないというふうに思えます。

てふママさんにも「確かに迷う表現」として受け取られる由承って、いくぶん安心しました。
ただ、ひとつだけふっきれない反証をあげてみますと、時の用法としてこれを受け取ったとして、眼鏡をかけていない時、とことさらにいうのは、B の足蹴が A の顔近くを打ったからこそじゃないかと思うんですけれど、そうだしたら B は見事にハイキックをお見舞いしたことになって、ちょっと変じゃないかという気もします。いっぽう、眼鏡なんかかかっていない場所を蹴られたのに、と読むとその点では無理が生じませんね。

繰り返しになりますが、てふママさんに「確かに迷う表現」だといって頂いたのがぼくとしては重要でした。ひとりで勉強をしていますと、唯一つの正解があるという思いに強迫されがちで、これが往々にして解釈を自然な読み方から遠ざけるのです。

こんかいも勉強になりました。
またよろしくお願いします。
Re: la ou il n'a pas de lunett ( No.3 )
日時: 2009/06/23 21:26
名前: クルツ

追伸。
おっしゃるとおり、プチ・ニコラです。
蛇足ですけれど、念のため。
Re: la ou il n'a pas de lunettes ( No.4 )
日時: 2009/06/24 18:26
名前: てふママ

その反証については、私もちょっとひっかかっていたのです。それで、前後関係を見てみましたが、階段状に並ぶ際の出来事ですので、すれ違いざまではありますが、Bが蹴ったときに必ずしもCの足を蹴る高さだとは言えないと思いました。Bが蹴ったときに、ちょうどAの顔の高さあたりだったことも可能性としてはあるのではないでしょうか。そうでなくても、Aは何かにつけ、眼鏡に災いが及ぶことを理由にして喚く傾向がありますから、顔近くを蹴られたのでなかったとしても、不自然ではないと感じました。

それでも、一晩考えているうちに、場所のほうが正解かなと思えてきたのも確かです。時の用法ととるのだと、il n'avait pas と過去形になりそうなものですものね。recevoirとの親和性も、例えば "J'ai toujours mal là où il y a la cicatrice." というような例との類似だとすれば、おかしくないかなという気になってきました。

コロコロ意見を変えてすみません(^^;; フランス人が読めばなんということのない文章なのでしょうけれど、どうも最初から構えて読むとダメですね。おそらく、クルツさんの最初の「ふつうに読めば」というアプローチが結局は正しいのだと思います。
Re: la ou il n'a pas de lunett ( No.5 )
日時: 2009/06/24 20:24
名前: クルツ

ご返信拝読。

これでぼくとしてはたいへんよく理解できたと思います。
とくに、時の用法だとすると過去形が妥当ではないかという点、同感です。

毎回、きまぐれな質問にも懇切に回答をくださって、とても感謝しています。
また教えて下さい。
では。

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