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saboter tous les bachots!
日時: 2011/06/11 19:33
名前: クルツ

てふママさん、こんにちは。

ルイ=フェルディナン・セリーヌの手紙に関して教えてください。あまり長くはありませんので下に全文引用します。

Mon cher Éditeur et ami,
Je crois qu'il va être temps de nous lier par un autre contrat, pour mon prochain roman «RIGODON»... dans les termes du précédent sauf la somme – 1 500 NF au lieu de 1 000 – sinon je loue, moi aussi, un tracteur et vais défoncer la NRF, er pars saboter tous les bachots!
Qu'on se le dise!
Bien amicalement votre
Destouches

セリーヌが死ぬ直前に、最後の小説『リゴドン』の契約金について版元に増額をせまる文面です。よくわからないのは、pars saboter tous les bachots というくだりで、文字どおりに読むと、小舟をぜんぶ壊しに行く、という意味になると思いますが、あまりピンとこないのです。なにか他の意味を探してみましたがどうも見当たりません。版元のガリマール社がセーヌの近くにでもあって、NRFをぶっこわしてから、そのままセーヌの岸辺に泊めてあるボートをぜんぶこわしに行くんだということかなあと考えたりしましたが、どうも無理があるようです。セリーヌは俗語表現の名手ですから、俗語にこういう言い回しがあるのでしょうか。
それから、次行の Qu'on se le dise! 。「考えてもみてください!」ほどの意味にとりましたが、大過ありませんか。

以上、よろしくお願いいたします。

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Re: saboter tous les bachots! ( No.1 )
日時: 2011/06/12 14:15
名前: てふママ

クルツさん、こんにちは。

はあ…これは、見当がつきません。ガリマール社の場所は(昔と変わらないのなら)セーヌ近くではありますけれど、川沿いというわけでもありませんし、果たして言外に込められた意味があるのか、よくわかりません。俗語をかなり調べてみましたが、該当する表現は見あたりませんでした。

まったくの想像に過ぎませんが、実際にボートがあるかどうかは関係なく、単に「そっちをボコボコにしてやる」程度のニュアンスかなとも思います。

Qu'on se le dise! は、クルツさんのお考えに賛成です。

この短い手紙の中で気になるのは、moi aussiです。何がmoi aussiなのでしょうね?この頃に、社会的事件としてトラクターでどこかが襲撃されるということや、ボートに穴が開けられることなどがあったのでしょうか?(キューバ革命と結びつけるのは考えすぎでしょうかね)あるいは『リゴドン』の中に、類似内容があるのかしらと思いました。
Re: saboter tous les bachots! ( No.2 )
日時: 2011/06/12 18:54
名前: クルツ

ご返信ありがとうございます。

たしかに moi aussi は気になります。おっしゃるとおり何か類似の出来事があったのかもしれませんし、『リゴドン』の内容という線もありそうですね。ともあれ、これは言葉(文法)の問題というよりも言葉にまつわる社会(歴史)関係の問題だといえそうですので、ぼくなどがわからなくても仕方がないということには納得がいきました(変な言い方ですけれど)。いつかそのあたりの事情が判明することがありましたら、ご報告いたします!

いつもありがとうございます。またよろしくお願いいたします。
削除 ( No.3 )
日時: 2012/08/23 02:27
名前: 管理人

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