Re: 指示形容詞と定冠詞 ( No.1 ) |
- 日時: 2012/08/07 23:27
- 名前: てふママ
- yokkoさん、こんばんは。
超多忙な日々が続いていましたが、ここ数日でやっと一区切りがついたところです。
La pluie をCette pluieに変えるということですか? 原則としては、定冠詞より指示形容詞のほうが、遙かに指示機能が強いということは言えます。指示形容詞の定冠詞との一番の違いは、他にも同じ名詞で示されるものが存在するということです。つまり「他の○○ではなく、この○○」という特定化のニュアンスになります。定冠詞の場合はそういう排他的な意味合いを含んでいません。
もし上記の文をCette pluieに変えると、「雨にもいろいろあるが、今回のこの雨は…」というニュアンスになるでしょう。または「話題として取り上げられた例のあの雨は…」という場合もあるでしょう。この文単独では、なんとも言えないのですが、例えばこの前に「天気はどんどん悪くなり、嵐の様相を帯びてきた。風は路上の様々なものをなぎ倒し、雨は…」というような前提があるとするなら、雨は単に定冠詞をつけるのが普通ですね。
仏作文の場合、どちらにするかは、たいへん微妙な問題です。一般には「この、その、あの」という日本語が含まれていれば、指示形容詞でよいとは思いますが、文脈にもよります。yokkoさんが迷われる仏作文の日本語を紹介してくだされば、それについて具体的なアドバイスはできると思います。
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Re: 指示形容詞と定冠詞 ( No.2 ) |
- 日時: 2012/08/08 09:57
- 名前: yokko
- てふママ様
回答ありがとうございました。
仏作文に取り組んでいる際に迷うことが何回かありました。文法書を調べても二つの違いを書いているものは見つからずで。。。
ceの使い方について電子辞書の例文機能でいろんな例文を調べていました。なかなか自分なりの答えが出せず、一度質問させていただこうと思いました。
今回疑問に思った仏作文は
「耳を澄まして、変な音が聞こえない?」 解答が Ecoute, tu endtends ce bruit bizarre?
@最初自分の仏作文は du bruit bizarre と考えました。bruit にはふつう部分冠詞をつけるからです。
Aなぜce bruit というのか、抽象名詞に何故指示形容詞が付く?という疑問に行き当たり、 それならば、un bruit bizarre でもよいのではとも思いました。
Bまた、「その」というニュアンスを入れるなら、 le bruit bizarre
でもよいのではないかという疑問が膨らんだわけです。
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Re: 指示形容詞と定冠詞 ( No.3 ) |
- 日時: 2012/08/08 10:12
- 名前: てふママ
- 昨年の新刊『ロベール・クレ仏和辞典』(駿河台出版社)をお持ちですか?とてもよく出来た辞書であるうえに、巻末の文法解説が秀逸です。今回の指示形容詞に関しても詳しい解説が載っていますので、ぜひ読んでご覧になるとよいと思います。仏作文のときに頼りになるのは、この辞書ともうひとつ『白水社ラルース仏和辞典』(白水社)ですのでお勧めしておきます。
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Re: 指示形容詞と定冠詞 ( No.4 ) |
- 日時: 2012/08/08 10:16
- 名前: yokko
- てふママ様
修正記事を書いている間にお答えいただいたのですね。ありがとうございます。今記事を修正して再投稿いたしました。よろしくお願いいたします。
辞書のご推薦、ありがとうございます。ぜひ手に入れたいと思います。
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Re: 指示形容詞と定冠詞 ( No.5 ) |
- 日時: 2012/08/08 11:35
- 名前: てふママ
- この日本語からは、確かに私も指示形容詞をつけようとは思わないですね。
du bruit bizarre より un bruit bizarreが一番自然だと思います。抽象名詞でも、形容詞がつく場合はその名詞の「あるひとつの現れ方」をあらわすので、可算名詞となるのです(部分冠詞の場合もあります)。
ce bruit bizarreには、相手にも「この音」が聞こえているという前提で喋っていることになるでしょう。日本語をもう少し正確にいうと「耳を澄まして、(私に聞こえている)この変な音が(あなたにも)聞こえるでしょ?」というニュアンスかと思います。「話している状況で指し示すことができる範囲で特定のものを取り上げる」(ロベール・クレ仏和辞典の解説による)という用法です。あるいは「以前に話題になったことを取り上げたり、あたかも周知のことだと相手に強調する場合」(ロベール・クレ仏和辞典の解説)に当たる用法で、「例のあの変な音が聞こえない?」という意味になる可能性もあります。
「耳を澄まして、ねえねえちょっとなんか変な音が聞こえない?」だったら、un bruit bizarreがよいと思います。
この文の場合は、le bruit bizarre は不適当です。定冠詞がつくためには、bruit bizarreが周知のものでなくてはなりません。まあこの場合は、周知のものであっても指示形容詞を使うでしょう。 まず、un bruit bizarre か、ce bruit bizarreが文に出てきて、次にそれを指すのならle bruitが使えます。
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Re: 指示形容詞と定冠詞 ( No.6 ) |
- 日時: 2012/08/08 11:52
- 名前: てふママ
- 訂正します。un bruit bizarre より、ce bruit bizarreのほうがよいような気がしてきました。
発話者がこういうふうに言い出すということは、発話者には必ず聞こえている音なので、「(私に聞こえている)この変な音」というニュアンスで、指示形容詞をつけるほうが自然なのかも知れません。
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Re: 指示形容詞と定冠詞 ( No.7 ) |
- 日時: 2012/08/08 15:03
- 名前: yokko
- てふママ様
分かりました。ありがとうございました!!
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