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倒置文のニュアンス
日時: 2013/10/23 23:33
名前: クルツ

てふママさん、こんばんは。
たいへんお久しぶりです。また教えていただけましたら幸いです。

Une maniere commode de faire la connaissance d'une ville est de chercher comment on y travaille, comment on y aime et comment on y meurt. Dans notre petite ville, est-ce l'effet du climat, tout cela se fait ensemble, du meme air frenetique et absent.

上の文章にある倒置形「est-ce l'effet du climat」について、ふた通りの考え方のあいだで確信が持てず迷っています。

@ est-ce l'effet du climat は、Dans notre petite ville と tout cela se fait ensemble のあいだに挿入されているために、文体上の綾として倒置が起きている。従って意味的には、c'est l'effet du climat と等価であり、「気候のせいで」というふうに留保のない断定と受け取って差し支えない。

A 倒置が起こることにより、意味上のニュアンスが加わり、日本語でいえば「気候のせいか」といった感じの留保の意味が生じる。

おそらく@の考え方が正解に近いような気がするのですが、いかがでしょうか。疑問にはならない主語倒置のかたちのうち、主語が長い場合その他、自然に理解できるものが大半なのですが、たまにどう考えていいのかわからなくなる形のものがあり、そのつど考えこんでしまいます。今回の場合もその一例です。ご教示よろしくお願いいたします。

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Re: 倒置文のニュアンス ( No.1 )
日時: 2013/10/24 21:05
名前: てふママ

クルツさん、こんばんは。

かなり考えましたが、結論が出ません。消極的理由しか拠り所がありませんが、クルツさんのお考えのように@が正解に近いかなとは思います。

@だとした場合:話し言葉なら、Dans notre petite ville―c'est l'effet du climat―tout cela … でよいでしょうが、書き言葉となると落ち着きが悪く、著者は文体を練り上げる人ですから、est-ce とするほうが文学的だということからこうなったという仮説は立てられます。「気候のせいなのだが」という挿入句と解釈することになりますね。それに、「気候のせいか」なら、条件法になるか、me semble-t-il などという挿入句になるか、何かもっと他の言い回しになりそうなものですから。

c'est をこのように倒置する例は記憶にないので、確定的に@とも言えないのが正直なところですが、serait-ce などはありうるわけですから、許容されているのかなとも思います。

ご納得いただける説明が出来ずに申し訳なく存じます。
Re: 倒置文のニュアンス ( No.2 )
日時: 2013/10/27 19:16
名前: クルツ

返信がおくれましてまことに失礼いたしました。

ご回答ありがとうございました! ご説明を承り、ぼくとしては納得ができました。こうした文章は、なにより文脈のなかで判断すべきものなのでしょうね。ぼくは、一文を抜き出して確定的な正解をさがしてしまうクセがありますので、辞書に載っていないとたちまち頭を悩ませてしまいます。てふママさんに相談させていただけるのはほんとうに幸いに思っております。

引き続き次の機会でもよろしくお願いいたします。

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