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職業などを表す名詞につく冠詞、人称代名詞と指示代名詞の主語
日時: 2015/04/12 12:29
名前: Yurika

てふままさん、いつもお世話になっております。
初歩的な内容ですが、不定冠詞と人称代名詞について質問してよろしいでしょうか。
@Il est lycéen.
AMon père est employé de bureau.
BMa mère est sans profession.
CJulien est un bon professeur, il est apprécié dans ses cours.
DC’est mon professeur de Judo.
ECe sont mes cousins.
FC’est mon voisin, il est sympathique et drôle.
1.この@〜Cの文は職業や身分を表していますが、職業・身分・国籍などを表す属詞名詞には一般に冠詞をつけないと辞書には書いてあったのですが(C’estの後では冠詞を付ける)、Cの文にはunがついています。これはbonという形容詞がついているからでしょうか?それともJulienは先生であるということは既にわかっており、良い先生で、良い先生は学校の中には何人かいるので、一人のということを強調するためにあえてunをつけたと解釈した方がいいのでしょうか。冠詞を付けないで表現するのは、職業などを言う時だけだと考えた方がいいのでしょうか?
2.D〜Fは人称代名詞ではなく指示代名詞のceを使っていて「この(あの/その)人は」という意味になると思うのですが、人称代名詞を用いてもいいような気がします。Fの文だと人称代名詞を使うと主語が重複してしまうのでc’estとilを両方用いているのでしょうか。こういう場合は人称代名詞を/指示代名詞を使った方がいいというケースがありましたら教えていただければありがたいです。お時間があるときで結構ですのでよろしくお願いします。

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Re: 職業などを表す名詞につく冠詞、人称代名詞と指示代名詞の主語 ( No.1 )
日時: 2015/04/12 14:51
名前: てふママ

Yurikaさん、こんにちは。
ちょっと長くなりますので、2回に分けます。

1. Cに不定冠詞がつくのは、Yurikaさんの最初の解釈、bonという形容詞がついているからです。bonがつくと、professeurは100%名詞だと断定できますから冠詞が必要になります。一方、職業の説明だけをする場合は、Julien est professeur.となります。この場合は、professeurが限りなく形容詞に近いと考えられるので(品詞はあくまで名詞ではありますが)、冠詞がつかないのです。「JulienはXX大学の先生だ」をあらわす場合は、Julien est professeur à l'Université XX. か、Julien est un professeur de l'Université XX. と両方の表現ができます。前者は「XX大学で教師をやっている」、後者は「XX大学の教師(教師はたくさんいるので、その一人)だ」くらいの違いですね。言っている内容は同じですが、冠詞の有無に差があります。

2. ceが主語のときは、多くの方が誤解なさっているのですが、「この(あの/その)人は」と考えるために il との違いがわからなくなるのです。ceはその人を具体的に指すのではなく、その人を取り巻く諸々のことも含める幅の広い主語です。例えばDに質問文をつけてみます。
D Qui a dit cela ? ― C'est mon professeur de Judo. (誰がそれを言ったのですか?―私の柔道の先生です)
これをil で答えられないことはおわかりになりますね?主語のceは「彼」そのものではなく、「それを言った人物」です。現在話題の中心をなしている人、というのがceに当たると考えればよいでしょう。
そういう質問がなく、単に人に紹介しているようなケースでも、考え方は「私があなたに紹介しようとしているこちらの方」というような広いニュアンスをceが持っているわけです。これもilは使いません。

Re: 職業などを表す名詞につく冠詞、人称代名詞と指示代名詞の主語 ( No.2 )
日時: 2015/04/12 14:54
名前: てふママ

Fもちょっと広げてみます。
F Regarde cette photo ! ça, c'est mon voisin, il est sympathique et drôle.(この写真見て!これ、お隣さんよ。感じがよいけれど、おかしな人なの)この場合も、çaと言いながら話者が指さしている人物がceです。写真に写っている対象(人)物ですから、「彼」そのものではないのです。そして、mon voisinという情報が既出になりましたから、その後は「彼」そのものの説明としてil est …になります。

基本的に、初めての情報として人を提示するのなら、ceを使って(情報として初めてですから、そもそも男女単複を特定できません)同定し、その人の存在が既知のものとなれば、ilなどで説明するということですね。
Re: 職業などを表す名詞につく冠詞、人称代名詞と指示代名詞の主語 ( No.3 )
日時: 2015/04/12 17:25
名前: Yurika

とても丁寧な解説、本当にありがとうございます。いつも助かっております。(*^_^*)これからもよろしくお願いします。

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