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parler francais
日時: 2007/02/11 16:47
名前: ゆう

よろしくおねがいします。

「フランス語を話す」を仏訳するとparler francaisですね。

parler le francais と定冠詞がつくと一般に外国人が「フランス語で話せる」というほどの意、と辞書には書いてあるのですが、語学音声教材の中に

On parle le portugais ici.
On parle l'anglais en Angleterre.
Est-ce qu'on parle le francais en Afrique?
Ou est-ce qu'on parle le japonais?

などの表現が出てくるのですが、定冠詞がここで必要である意がわかりません。この点について教えていただけますでしょうか。よろしくお願いいたします。

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Re: parler francais ( No.1 )
日時: 2007/02/11 22:14
名前: てふママ

ゆうさん、ようこそ。

おっしゃるように、「フランス語を話す」は、parler françaisで、フランス人以外がフランス語を話す場合は、辞書の説明のように、leがつきます。ここまでが、従来説明されてきている伝統的な区別ですが、国語名にleがつくかつかないかは、実はかなり曖昧で、前者もparler le françaisを使うことがあるし、後者がparler françaisの場合もあるのです。現代ではこの区別は事実上ないに等しいと考えられています。従って、定冠詞が必要か必要でないかという判断基準は成立しないことになります。

挙げてくださった例は、前後関係がわからないので、判断しにくいのですが、少なくともEst-ce qu'on parle le français en Afrique?は、伝統的な説明に合致した用例ですが、これでもleを省くことは可能です。Où est-ce qu'on parle le japonais?も、もしこの問いを発している人が、日本語は日本以外でも話されているのかも知れないという考えから聞いているのなら、やはり、伝統的な区別に合致していると言ってもよいでしょうが、Où est-ce qu'on parle japonais?とも言います。用法にかかわらず、挙げてくださった文章はすべて、leなしでも成立します。

従って、leをつけるつけないの基準は厳密には存在しないと言っても過言ではありませんが、フランス人が喋る場合は、文全体のバランスから無意識のうちに語呂がよいほうを選んでいるということもあります。
Re: parler francais ( No.2 )
日時: 2007/02/12 12:28
名前: ゆう

丁寧なお答えありがとうございます。両者の区別がなくなっているという点よく分かりました。

前後関係を書いていなかったので付け加えさせていただきます。もう少し教えてください。

例文の上二つはこの文を聞いてどこの国の話をしているか地図上でさがす、というものでした。

下二つの文は母親が「何々語はどこではなされているか?」と質問し、子どもが国名を答えるという具合になっていました。

下二つの文は伝統的な区別に合致しているということですが、上二つの文章は合致しているのでしょうか。
よろしくお願いします。
Re: parler francais ( No.3 )
日時: 2007/02/12 14:52
名前: てふママ

On parle le portugais ici.
状況をうかがいますと、これに関しては、主語のonの定義がまだなされていないことになりますね。当然ポルトガルを地図上から探すことになるのでしょうが、例えばブラジルも有り得ますから、まだ前提には「ポルトガル人が自国語であるポルトガル語を話す」という観念が成り立っていません。従って「on=まだ、何国人かわからない或る人々」ということから、外国語扱いになったとも考えれば、合致していることになります。

On parle l'anglais en Angleterre.
これはイギリスとはっきり言っていますので、合致しないことになりますね。

ただ、「〜国語を話す」という文でも、いろいろなニュアンスがあり、最初に挙げてくださった4例は、いずれも「どの言語を話すか」に焦点が当てられている(「話す」こと自体はもうすでに肯定されている)ため、「〜語」が直接目的語であるという役割が極めて明確です。そのために、名詞の扱いの規則通りに、どれにも定冠詞がついていると考えられます。これに対し、もし、「〜語を話すか話さないか」に焦点が当てられると、Vous palez français?というほうがやや自然なわけです。もちろん文法的にはこのfrançaisも直接目的語には違いないのですが、parlerとの結びつきがより強くなり、慣用表現に近くなってきているのです。そのために、はっきりとした直接目的語であるという役割が弱められますので、冠詞を省くという現象が起きます。日本語に訳した場合に差が出ないので、状況から理解するよりほかはないのですが、このような説明でおわかりいただけますか?
Re: parler francais ( No.4 )
日時: 2007/02/15 15:21
名前: ゆう

分かりました。ありがとうございます。辞書や文法書をこえたこういう勉強はためになります。

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