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dont について
日時: 2021/05/13 13:06
名前: buco

てふママ様

はじめて質問させていただきます。

『赤と黒』を原文で読み始めたのですが、冒頭の2つ目の文のdont が文法的にはっきりしません。

La petite ville de Verrières peut passer pour l’une des plus jolies de la Franche-Comté. Ses maisons blanches avec leurs toits pointus de tuiles rouges s’étendent sur la pente d’une colline, dont des touffes de vigoureux châtaigniers marquent les moindres sinuosités.


1.dont の先行詞はune collineでしょうか。la pente d’une collineでしょうか。
2.dont のかかり方は次のどちらでしょうか。また、どこで判断すればよいですか。
 A.des touffes de vigoureux châtaigniers de cette colline(主語)
 B.les moindres sinuosités de cette colline(目的語)

参考までに、手元の翻訳書(新潮文庫)は次のようになっています。
「赤瓦で、とがった屋根の、白い家々が、丘の中腹に建ちならび、生い茂った栗の木立が、丘の起伏どおりの線を描いている。」


どうぞよろしくお願いいたします。

メンテ

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Re: dont について ( No.1 )
日時: 2021/05/13 14:07
名前: てふママ

bucoさん、ようこそ。

良い文章をお読みですね。

1. この場合、dont の先行詞は la pente d'une colline ですね。
la pente d'une colline という塊でひとつの意味をなしている語群の場合、一般的に言って、不確定な(=不定冠詞がついている)名詞のほうが先行詞になる確率は非常に低いのです。

2. Bの考え方ですが、正確には les moindres sinuosités de la pente d'une colline ですね。
判断の基準は、関係節中のどの要素が、dont に含まれる de を必要としているかで、慣れないとわかりにくいとは思いますが、まず意味が繋がるかどうかです。
ここでは de を必要としているのは les moindres sinuosités です。日本語に訳すとよくわからなくなるのですが、les moindres sinuosités がどこにも繋がらないとすると、なんのsinuosités なのかフランス語としては曖昧で、宙ぶらりんなイメージになります。「丘の斜面の起伏」であることをあらわさなくてはなりません。

一方、なぜ des touffes de vigoureux châtaigniers de cotte colline という繋がりではないかについては、touffes の冠詞が不定冠詞だというところに違和感があるので(1.の解説と同じ理由です)、即座にそっちではないということがわかります。

こんなところでおわかりいただけるでしょうか。

新潮文庫なら小林正訳ですか?手慣れた訳ですね。
メンテ
Re: dont について ( No.2 )
日時: 2021/05/13 14:55
名前: buco

てふママ様

早速、詳しいご回答をありがとうごさいました!
お陰様でよく分かりました。
冠詞の問題と関係していることは漠然と感じていたのですが、分析的にご説明いただき納得いたしました。
今後ともよろしくお願いいたします。
メンテ

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