笑えるフランス語

街やWebで見かけた困ったフランス語をご紹介
笑えることが少なくなることを願って…

元が知りたい! 2013年06月25日(火)

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【Le bonheur est née une fille !】

神田神保町を歩いていて、とある店の道路に面したガラスにこの文が書かれているのを見つけた。ほかにも数種類のフランス語の短文が書かれている。店の名前もフランス語なので、フランスらしい雰囲気をかもし出そうと、文をちりばめたものと見える。

だが、どう考えてもこの文は意味不明である。文法的に形をなしていないのだ。«Le bonheur»は「幸せ」という意味。«est née»は「生まれた」という動詞の過去形だが、このスペルになるには、主語が女性名詞でなくてはならない。だが«Le bonheur»は男性名詞だ。«une fille»は「女の子」の意味なので、前半と繋がらない。百歩譲って(千歩くらい譲らないと不可能だが)«une fille»が主語と考えても、今度は«le bonheur»がどこにも繋がらなくなってしまう。

散々頭をひねった結果、どうも「女の子に生まれた幸せ」とか何とかいう日本語を、機械翻訳にかけたのではないかと推測し、様々な日仏オンライン翻訳で試してみたが、ついにわかった!「幸せは女の子に生まれたこと」という日本語ををGoogle翻訳でフランス語にしてみたところ、冒頭の文を吐き出してくれた。

繰り返すが、これはフランス文としては成立していない。機械翻訳が正しいと思ってもらっては困るし、それを鵜呑みにして、大切な店のディスプレイに使うのは、迂闊としか言いようがない。
 


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