今日の一言
見つけた言葉、気になった言葉をつづって行きます。 |
![]() スキー・ジャンプ / ラージヒル > saut à ski / grand tremplin ソー ア スキ/グラン トランプラン 私もソチ・オリンピックでの葛西紀明の銀メダルを見て感激したひとりである。外国のメディアも彼の「レジェンド」ぶりを大きく評価している。 saut à skiは直訳すれば「スキーに乗ってのジャンプ」ということになる。男子スキー・ジャンプと言いたい場合は、saut à ski masuculin(マスキュラン)となり、女子féminin(フェミナン)と区別する場合に使っている。 「ラージヒル」については、英語とずいぶん言葉が違うので面白い。tremplinは、体操の踏切台やスキーのジャンプ台を指す単語。ポーンポーンと跳ねる「トランポリン」はtrampoline(トランポリーヌ)というスペルであり、この2語の語源は等しいらしい。 (No.27) |
![]() 外反母趾 > hallux valgus アリュクス ヴァルギュス 自分が外反母趾気味なので、なんと言うのだろうと調べた。 hallux valgusはラテン語で、まさに日本語と同じ「母指の外側への変形」の意味だ。この変形した状態のことを、フランス語では"oignon du pied"(オニョン デュ ピエ)とも呼ぶそうだ。oignonは元々「玉ねぎ」の意味で、「たこ、うおのめ」の意味にも使うそうだから間違いやすい。 外反母趾は日本人に多い疾患かと思いきや、フランス人女性も10人にひとりは悩んでいるという。 (No.26) |
![]() いきんで! > Poussez ! プセ ある人から、英語ドラマをテレビで見ていたら、出産シーンで「いきんで!」というのを英語では"Push!"と言っていたと聞いた。それで例のごとく、フランス語では何と言うのだろうと気になり、調べてみた。 これは単純だった。pushと同じ意味のフランス語の動詞はpousserだから、一応pousserを辞書で引いてみるとビンゴ! pousserには他動詞と自動詞との両方の役割があるが、「いきむ」は自動詞だ。「押す」とか「圧力をかける」という語義に類するようで、仏仏辞典を確認してみると、"produire un effort (pour accoucher, déféquer)"という語釈がある。直訳すれば「(出産、排便のために)努力を生じさせること」となろうか。 で、この動詞の命令形 poussezが「いきんで!」ということになる。 (No.25) |
![]() 口パク > en play-back アン プレバク ビヨンセが国歌を口パクで歌ったのではないかというニュースが最近各国で話題になっている。英語で口パクはlip sync(lip synch)と言うそうで、例によってフランス語では何だろうと調べてみた。 このニュースはフランスでも大きく取り上げられていて、記事では軒並み«en play-back (en playback)»という表現が使われていた。「口パクで歌う」は«chanter en play-back»となる。ほかに«faire du play-back»「口パクする」や、«C'est du play-back.»「それは口パクだ」といった表現もあるそうだ。 日本語の「音声同期」に当たる正式な言い方は«synchronisation labiale»(サンクロニザスィヨン ラビアル)で、こちらは英語の«lip sync»と同義だ。 play-backはもちろん英語からの借用語だが、英語でのplaybackはこの種の口パクの意味ではなく、他の人の歌に口を合わせることを言うそうだ。ミュージカル映画などで、主演の俳優さんは実は歌っておらず、歌手の歌声に口を合わせている、というような場合だ。 フランス語らしい特有の言い回しは何かないのかと調べているが、今のところ見つからない。 (No.24) |
![]() 加湿器/除湿器 > humidificateur / déshumidificateur ユミディフィカトゥール / デズュミディフィカトゥール 最近加湿器を買ったので、フランス語では何だろうと調べてみたら、極めてノーマルな派生の仕方の言葉だった。 「湿った」という意味のhumideという形容詞がある。これを動詞にしたものがhumidifier「湿らせる」で、そこからhumidification「加湿」という名詞が派生し、この語尾が「機器、器具」を指す-teurという語尾に変化した単語である。除湿のほうは、この単語にdé-(dés)という「除去」をあらわす接頭語がついたものだ。 ちょっと舌を噛みそうな単語なので、もっと別の言い方はないのかと思ったが、どうもないようだ。 (No.23) |
![]() インターフェース > connectique IT用語としては、ずっと以前から使われている言葉だが、語彙数の少ない仏和辞典には収録されていないことも多い。iPhone 5の発売にともない、このところニュースでもこの単語が頻繁に登場する。 iPhone 5では、充電や同期に使用する端子が従来のものとは違って、"Lightning"と呼ばれる新コネクタが採用されている。これは従来のものより小型化され、上下の別がない。 「インターフェース」にはいくつもの意味があるが、このLightningを指すconnectiqueは、コネクタの形状・規格という意味になる。 (No.22) |
![]() ツイストタイ > attaches / liens pour sachets 日本語であれは何と呼ぶのだろうと疑問が湧いたのがきっかけである。パン袋などをねじって留めるワイヤー入りの細いバンドのことである。日本でも「ツイストタイ」「カラータイ」「ワイヤータイ」と、様々な呼び名があるようだ。英語で調べてみると、"twist ties"という表記が一般的だということがわかったので、日本語でも「ツイストタイ」を第一に採用することにした。ただし「ツイストタイ」と呼ぶ別の形状の製品もある。 さてこれをフランス語で何というのだろうと調べ始めたが、なかなかこれはという表現が見つからない。英語の"twist ties"をそのまま使っている場合が多いのだ。ようやく出た結論は、やや説明的な表現で、attaches pour sachets(アタシュ プール サシェ)または、liens pour sachets(リヤン プール サシェ)と呼ぶらしいということだ。前者は「小袋用留め具」、後者は「小袋用紐」という意味だ。他の呼び名があるなら、どなたかに教示いただきたいものだ。 (No.21) |
![]() 既製服 > prêt-à-porter プレタポルテ 珍しい単語ではない。フランス語を少しかじった経験のある者なら、ほとんどの人が知っている語だ。「着る準備ができている」という表現でできていて、「注文服」との対比で使われる。 なぜこの語に注目したかというと、この単語は日本語の辞書では、私の知る限りすべて「高級既製服」という訳語が当てられている。私自身もその昔覚えたその語義を疑うことはなかったのだが、今年の10月にパリ郊外にオープンする大型ショッピングセンターSO OUEST内にユニクロがパリ圏で3店舗目を構えるというニュースを読んでいたときに、ユニクロをprêt-à-porterのブランドだと説明していることに気づいたのだ。ユニクロ製品は日本語の「高級既製服」の範疇には入らないはずだ。 あれこれ探してみると、ほかにH&Mもやはりprêt-à-porterのブランドと表現されている。それでネット上で見られる仏仏辞典をいくつも引いてみると、prêt-à-porterの語義説明には「高級」をあらわす言葉がいっさい使われていない。 そんなわけで、prêt-à-porterを「高級既製服」と訳すのは、現状には合わなくなっていると思う。 (No.20) |
![]() ハシビロコウ > bec-en-sabot du Nil ベカンサボ・デュ・ニル NHKの「ダーウィンが来た!」に出てきた怪鳥の名。英語ではshoebill(靴の形のクチバシ)と言う名だと紹介されていたので、フランス語では何と言うのだろうと調べてみた。フランス語でも発想は似ており、サボ(木靴)のクチバシと呼ばれているが、「ナイルの」という補足がついているところが異なる。それにしても奇っ怪な鳥だ。 (No.19) http://fr.wikipedia.org/wiki/Fichier:450px-Shoebill-cropped.JPG |
![]() 熱中症 > symptômes d'hyperthermie サンプトム ディペルテルミ 昨夏に引き続き、今年も酷暑の夏だ。毎日熱中症のニュースが聞こえてくる。フランスでも、福島の原発事故に起因する節電傾向と熱中症との関連などが報道されている。 hyperthermieは「高熱」のことだが、内臓が原因の熱fièvreではなく、外気温や暑さの中での運動などが誘発する熱だという説明がなされている。 (No.18) |