笑えるフランス語

街やWebで見かけた困ったフランス語をご紹介
笑えることが少なくなることを願って…

なぜわざわざ? 2009年08月28日(金)

  【oui or non】

あるタレントさんが着ていたTシャツのロゴがこれ。えっ!?と思って探してみると、確かにこのロゴが売り物のTシャツがショッピングサイトに存在した。

ouiとnonはフランス語だが、間のorはもちろん英語。英語の"yes or no"をそのままフランス語に直すなら、"oui ou non"としなければならない。わざとなのかも知れないが、この手の仏英混合はどうも気持ちが悪い。

そもそも、Tシャツに書かれているロゴや文章は、フランス語のみならず、英語でも非常に間違いが多く、着るのが恥ずかしいものがたくさんある。

http://www.ec-store.net/sly/shopping_detail.cfm?product_common_id=23464&uk=0
 

ずっと気になっていた 2009年07月12日(日)

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【sept couleur セプト クルール 〔フランス語で虹の7色という意味〕】

有名メーカーのノートやバインダーのシリーズ"sept couleur"(写真はバインダー)だが、フランス語の間違いが以前から気になってしかたない。こうまで、はっきりと書かれていては、文句のひとつも言いたくなろうというものだ。

まず"sept couleur"が「虹の7色」(直訳だと「7色」)という意味は正しいのだが、スペルは"sept couleurs"と、couleurを複数形にしなくてはいけない。日本語というのは数の観念が曖昧な言語なので、こういう間違いは起きやすい。実はフランスのサイトでも、このsをつけていない表記は結構見られる。フランス人が間違えるのは、couleurとcouleursの発音が同じなので、ついsを付け忘れるのではないかと、私は想像している。

また、「セプト クルール」は発音が間違っている。正しくは「セット クルール」である。
 

重箱の隅だが… 2009年06月27日(土)

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【Créme Caramel クレームカラメル】

つい先日お中元にいただいた「クレームカラメル」つまりは、キャラメルソースつきプリン。デパートから送られたもので、製造元は日本の会社だが、フランスのJean Millet(ジャン・ミエ)というパティシエと提携した製品らしい。

その箱に書いてある文字がこれだ。Créme(「クリーム」の意味)のアクサンが違っている。正しくは Crèmeだ。初学者にとっては、アクサンの方向を間違えることは、非常によくあることなので、まあ無理もない。何か記号がついていれば正しいと思ってしまうのだろう。でも、見慣れた者にとっては、これはかなり大きな間違いに見えてしまう。そもそも、基本的にはéの音とèの音は違うのだ。前者は「イ」に近い「エ」、後者はだいたい日本語の「エ」に同じ。

とっても美味しいクレームカラメルだったけれど、こうデカデカと間違った文字を書かれると、う〜ん…と思ってしまう。
 

は? 2009年04月10日(金)

  【doux pédale ドゥ・ペダーレ】

自転車をテーマに展開する アパレル・雑貨のセレクトショップの名前だそうである。フランス語だとは書かれていないし、意味も特に説明はない。けれども単語自体はまさしくフランス語だ。ところが、発音も文法も間違っている。

douxは「優しい、心地よい、柔らかい、甘い」などという意味の形容詞。pédaleは自転車などの「ペダル」のこと。

まず発音がまずい。pédaleの発音は「ペダル」ないしは、「ペダール」と表記してもよいが、「ペダーレ」とは絶対に読まない。

次に、pédaleは女性名詞なので、これにつける形容詞も女性形にしなければならないが、douxのままでは男性形なので、文法的に初歩的な間違いだ。douce(ドゥース)というスペルにしないとおかしい。そして語順は、pédale douceのほうが一般的だ。「優しいペダル」というような意味のショップ名にしたかったのだろうが、まったく意味不明だ。自転車のペダルの意味で使いたいなら、普通はpédales doucesと、複数形にするだろう。

ちなみに、フランス人のブログを見たら、日本でこのショップに出会って、そのショップ名に友だちと大笑いをしたと書いてあった。どこが笑えたのか、はっきりとはわからないが、pédaleには隠語として「男色家」という意味もあるので、そのあたりを類推したのかなとも思う。

http://www.sanyeicorp.com/work/brand/doux_pedale.html

内容は知らないが、"Pédale Douce"というタイトルのフランスのコメディー映画(1996)があるらしい。
 

ロゴのせい? 2009年02月12日(木)

  【agnis b.】

ほとんどの方が知っているであろうフランスのブランド名「アニエス ベー」(原音に近い書き方なら「アニェス ベ」)である。たまたま自宅近くのとあるショップで、手書きのポップにこう書かれていたので、あらあらと思ったのだが、ネットで調べてみると、この表記が続々と出てくるではないか!

正しい表記は《agnès b.》である。4文字目は《i》ではなく、《e》の上に《`》の記号がついた文字だ。はは〜ん、手書き文字のロゴを見ると、確かにフランス語を知らない人には、《i》の文字に見えるかも知れない。
ロゴの画像→http://www.tucoo.com/logo/logo_eps086/images/Agnes%20B.png

日本のサイトだと、ご丁寧にも「agnes b.(agnis b.)」と書いてあるところも多い。記号がつけられないのは仕方ないけれども、agnisはやっぱり間違い。

ところが、驚くことに、日本以外のサイトでもagnisのスペルで結構ヒットする。ごくわずかだがフランスのサイトも!(笑)

agnisだったら「アニェス」とは読めず、「アニス」になってしまう。
 

雰囲気ネーミング? 2009年01月31日(土)

  【Maison de Blanche 白亜の邸宅】

これはお知らせいただいたネタ。結婚式場の名前に添えられた表現だ。読み方も書かれていないし、フランス語だという説明はどこにもないし、式場そのものはROSE GARDENという英語だ。けれども、maisonやblancheは明らかにフランス語の単語。タイトルバーには「白亜の邸宅ローズガーデン」と表示されるから、Maison de Blancheは「白亜の邸宅」のつもりなのだろう。

「白亜の邸宅」、平たくいうと「白い家」は、maison blancheであって、deはいらない。blancheは形容詞blancの女性形で、maison「家」が女性名詞であることから、この形になる。deでつなぐなら、後ろは名詞でないとおかしい。百歩譲って、「白い」という形容詞でなく、「白」という色をあらわす名詞を使うにしても、それなら、maison de blancとなるべきだ(色の名前は男性形)。

http://www.m-rosegarden.jp/
 

品詞が… 2008年11月16日(日)

  【「白のパケ」 パケは昔からあるお菓子でフランス語のPAQUET(包むという意味)からきています。】

重箱の隅をつつくような指摘かも知れないが、どうも日本人は、単語の品詞に関して意識が低いように思う。paquetは、「包み」という名詞であり、「包む」という動詞ではないのである。同じ語源からきている名詞と動詞という組み合わせは多くあるが、paquetの場合はそうではない。「包む」という動詞はpaquetと似ても似つかないenvelopper(アンヴロペ)という単語だ。

http://www.bellunafoods.com/belluna/7.1/A-048-22/
 

レベッカの宿題 2008年09月20日(土)

  【謎の巻き舌系家庭教師】

フランス語関係の仲間内では、もう1年以上も前から話題になっているGOLDEN EGGSの動画「レベッカの宿題」。
http://vision.ameba.jp/watch.do?movie=694496
これが、今朝の「王様のブランチ」で紹介されていたのだが、登場人物のミシェルを「謎の巻き舌系家庭教師」とするテロップが出ていた。この「巻き舌」は明らかな間違い。

動画は、特徴あるフランス語の"r"の音を、オーバーに発音しているのが可笑しいだが、この音は決して「巻き舌」ではないのだ。正しく"r"の音を出すには、舌先を下の歯の裏側につけて、下の根元を持ち上げ気味にして、勢い良く息を出す。この時に舌先の位置が動いてはいけない。"l"(エル)のように上の歯の裏あたりまで舌先を伸ばす音とも違い、英語などの"r"のように、舌先がどこにもつかず、舌先を上に巻くようにして発音するのとも違う。

もちろん日本語には、このような音は存在しないから、説明が難しいのであろうが、巻き舌では、英語やイタリア語、スペイン語訛りのフランス語になってしまう。
 

大メーカーなのに… 2008年06月22日(日)

  【Café de Paris 〜Eclat de Fruits〜 カフェ・ド・パリ〜エクラ・ド・フルーツ〜】

有名なワインメーカーの新商品。電車内の広告で見かけて、これはまずいだろ〜!と思った。特設サイトではさすがに、〈エクラとは「輝き・きらめき」を意味するフランス語です〉としか書かれていない。「フルーツ」がフランス語読みでないことを承知なのだろう。それでも、「カフェ・ド・パリ」と「エクラ・ド」までは正しいフランス語読みになっているのに、Fruitsだけ英語読みにしているのは、どう考えても無茶な気がする。フランス語読みでは「フリュイ」が正しい。「エクラ・ド・フリュイ」では発音しにくく、名前が浸透しにくいという判断なのだろうが、どうにも気持ちが悪い。

http://www.mercian.co.jp/cafedeparis/eclat/index.html
 

ずれてますよ! 2007年05月13日(日)

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【Azalée dór アザレ・ドール】

たまたま前を通りかかったマンションの名前であるが、スペルが大間違い。写真では光ってしまって、わかりにくいのだが、よく見てほしい。oの上に記号がついている。正しくは、《Azalée d'or》と、dとorの間にアポストロフィをつけなくてはならない。dórという1単語は存在しないし、oの上にこの形の記号がつくこともないのだ。

「金色のつつじ」の意味なので、名前としては別におかしくはないが、ちょっとのことで変な名前になってしまった(^^;;

フランス語を知らない人に、《d'or》と《dór》との違いを認識せよといっても無理な話なのかも知れないが…
 


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