笑えるフランス語

街やWebで見かけた困ったフランス語をご紹介
笑えることが少なくなることを願って…

世も末か?(笑) 2005年07月18日(月)

  【フィン ド シェークル FIN DE SIECLE】

これはコスメ関係の雑誌をパラパラ見ていたときに見つけたネタ。コスメ用語やコスメのブランド名にはフランス語がよく使われているから、まだまだたくさんネタはあるのだろうが。

オヤクソクの発音間違い。FIN DE SIECLEは「ファン ド スィエークル」と読むのが正しい。フランス語では《in》というスペルは「アン」という発音になるので、「フィン」ではなく「ファン」である。

《SIECLE》のほうは、小文字で書けば《siècle》、読み方は、わかりやすく「シエークル」としてもいいが、「シェークル」(「エ」が小さい)ではない。

どこにも書かれていないが、《fin de siècle》「世紀末」という意味だ。なぜ「ヒアルロン酸を超えたうるおう力 化粧水・クリーム」のラインナップにこんな名前をつけたのだろう?世紀末なんて、なんかカサカサなイメージじゃないか?

http://www.cosmeshop.com/mojo
ページ中段の、6個並んだバナーのところにある。
 

屋根がいっぱい?(笑) 2005年06月14日(火)

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【フランス料理 トラント・トワ 33】

たいして面白いネタではないのだが、写真つきということで許していただこう(笑)

数字の33は"trente-trois"というスペルで、これをカタカナ表記するのなら「トラント・トロワ」とすべきだろう。2004年10月24日の記事にも同様のことを書いたが、確かにフランス語の"r"の音は"t"の次に来ると、ほとんど聞こえるか聞こえないかくらいなので、「トロワ」が「トワ」くらいに聞こえても不思議はない。でも、カタカナ表記はまた別物であって、「トワ」と書いてしまっては、「屋根」の意味になってしまう。"trente toits"で「30の屋根」だ(笑)
 

この手の抜き方は… 2005年06月07日(火)

  【TOKYO BAY CRUISE VINGT ET UN レストランシップ ヴァンテアン】

何も間違ってはいない、スペルも発音も。《VINGT ET UN》は「21」の意味で、おそらく21世紀を意識した命名なのだろう。豪華客船で東京湾をクルーズする素敵な企画だ。

でも、URLを見て欲しい。
http://www.vantean.co.jp/

《vantean》とはあんまりな!(笑)
正しいスペルだと、覚えてもらいにくいと思ったのだろうか…
 

苦心したのだとは思うが… 2005年05月28日(土)

  【Caprice Page d' accueil⇒フランス語で「気まぐれホームページ」という意味です】

う〜ん…確かに《Caprice》は「気まぐれ」と言う意味だけれど…
確かに《Page d'accueil》は「ホームページ」という意味だけれど…
まず「ホームページ」という概念が違っている。フランス語の《Page d'accueil》は、サイトのトップページやコンテンツの目次ページを指す言葉なのである。英語でもhomepageはその意味であるが、日本では「ホームページ」がサイト全体を指す言葉として定着してしまったために、こういう混乱が起きてくる。だから私は「ホームページ」という言葉を使うのに非常に気を遣う。

次に、日本語では「気まぐれホームページ」と言って、何らおかしくないが、フランス語では単に名詞と名詞と並べることは通常できない。「気まぐれなホームページ」というように形容詞を使うか、「気まぐれのホームページ」というように、「の」に当たる前置詞でつなぐかしなければ、意味をなさない。

別の問題になるが、フランスでは自分のサイトに、日本で言う「ホームページ」に当たる言葉をわざわざ使うことは殆どないのだ。あまりに当たり前すぎるということなのだろう。

同じサイトの別コーナーの名前にも奇妙なものがある。
【Soi Coffret⇒フランス語で私の小さな箱という意味です】

《Soi》は変ですよ!これは客観的な「自分」という意味であって、「自分の」ですらない。「私の小さな箱」ならば、《Mon Coffret》となるべきである。

http://ip.tosp.co.jp/i.asp?i=d0okb
「初めにお読みください」のリンク先に説明がある。
 

住みたくないなぁ… 2005年03月30日(水)

  【コンセボール21多摩 フランス語で「構想を抱く」という意味です】
【エスティメール21多摩 フランス語で「高く評価する」という意味です】

マンションの名前にはしばしばフランス語が使われる。しかし発音間違いが極めて多い。今回取り上げるのも発音の問題である。サイトにはフランス語のつづり字が書かれていないので、100%の自信を持って言うわけではないが、「コンセボール」とか「エスティメール」という発音はフランス語には存在しない(少なくとも、説明にある意味では)。

「コンセボール」はおそらく"concevoir"だろう。確かにこの単語は「構想を抱く」という意味だが、発音は「コンスヴォワール」。百歩譲っても「コンスボワール」だ。
「エスティメール」のほうは、"estimer"で間違いないだろう。正しい発音は「エスティメ」だ。

いずれも動詞の原形(正確には「不定詞」と言う)であるが、フランス語では-erで終わる動詞の場合は、最後の"r"を発音しないのが決まりなのだ。

http://www.asahi-lv.co.jp/tama/index_area.html
 

マシン翻訳は使うなって! 2005年03月21日(月)

  【“ラ・カネルール・デ・ラ・フェ”。フランス語で「妖精のフルート」という意味です。】

ケーキの名前なのだが、まず「デ・ラ・フェ」の部分はよくある発音間違いで、「ド・ラ・フェ」が正しい。そして「カネルール」のところで???とわからなくなってしまった。そんな単語知らないぞ!フルートなら"flûte"(フリュット)だし、フルートの別称や色々な楽器の名前を探してみたけれど、該当するものがない。発音から近そうなスペルの単語もあたってみたが、それらしいものが見つからない。

そこで、はたと思い当たった。試しに英語の"fairy flute"という言葉を英→仏のマシン翻訳にかけてみた。ビンゴ!!!

"cannelure"という単語を翻訳機は吐き出してくれたのだ。ただし、ただしですよ、この単語には楽器の「フルート」の意味はまったくないのだ!英語の"flute"には「(柱やネジなどの)縦溝」という意味もあり、フランス語訳はこちらの意味を翻訳した結果だったわけだ。

つまり日→英→仏の翻訳を重ねて"la cannelure de la fée"というスペルに行き着いたに違いないが、これでは「妖精の溝」だ(笑)しかもこれを正しい発音表記にすると「ラ・カヌリュール・ド・ラ・フェ」である。「カネルール」ではない!

「妖精のフルート」ならば、"la flûte de la fée"としなくては。せっかく凝った名前にしたのに、ワケワカランことになってしまったね。

http://www.huistenbosch.co.jp/event/now/shop.html
 

紅茶はどこ? 2005年02月14日(月)

  【Royale Montagne ロイヤルモンターニュ フランス語で「紅茶の山」】

今日はバレンタインデーだから、どこでもチョコレートの話題が花盛り。昨夜友人とチャットをしていて知ったチョコレートの名前がこれ。

まず、どこからツッコミを入れようかと迷うほど、ネタ満載のネーミングである(笑)《Royale Montagne》は、語順が逆!正しくは、《Montagne Royale》。そして、発音は「モンターニュ ロワイヤル」であって、「ロイヤル」とは読まない。さらに、Montagne Royaleだったとしても、意味は「王の山」であり、どこをどう探しても「紅茶の」というニュアンスは含まれていない。

小樽(オタル)をもじってLe TAO(ルタオ)としたという店名が、素晴らしく洒落ているだけに、商品のネーミングがいい加減なのは、まことに残念!

ちなみに、カナダのフランス語圏の町、モントリオール(フランス語名称では、モンレアル Montréal)の語源は《montagne royale》なのだそうだ。

http://www.letao.jp/item.shtml?id=557b7cb0674062d41c889ba08f167e27&cid=6c96e9a68591d5f4b6010e807b6a39e0
↑バレンタインデー限定ページかも知れません。
 

これだけ宣伝しているのだから… 2005年02月05日(土)

  【ボンキャフェ・ナパ・ドンセイヌ 89.42.12 Bon café n'a pas d'enseigne「良いカフェに名前はいらない」】

バレンタインデー間近な時期になり、TVではチョコレート情報をいろいろやっている。そこで紹介されていたお店の名前(通称『ボンキャフェ』または『89.42.12』だそうだ)。カタカナで紹介されていたので、「ボンキャフェ・ナパまではわかるけれど、ドンセイヌって何さ?」と夫と顔を見合わせ、早速Webで検索してみたら、あった。あー、これかー!(笑)

「ドンセイヌ」はないだろー!それじゃ意味がわからない訳だ。表記するなら「ダンセーニュ」。「ダン」の部分は確かに「ドン」に近く聞こえるけれども、それでも「ドン」ではなく、「ダン」のこもった音である。そして「セイヌ」の部分は明らかな間違いが2つ含まれている。フランス語には基本的には二重母音がないので、「セイ」とはならず「セー」である。そして、gneのスペルは「ヌ」ではなく、「ニュ」と読むのが正しい。

意味はまあほぼ合っている。正確には「良いカフェには看板がいらない」。ちなみに、これの元となっている諺は、"À bon vin point d'enseigne."(ア ボン ヴァン ポワン ダンセーニュ)「よいワインには看板はいらない」である。

http://store.yahoo.co.jp/sweets-patisserie/bonc.html
 

なぜ気づかない??? 2005年02月04日(金)

  【Copain Copine 有楽町コパン・コパン(韓国家庭料理)】

正しい読み方は「コパン・コピーヌ」。フランス語の質問をメールでいただいた折に、ちょっと検索をしていて見つけたお店。まあ、フランス語だとはどこにも書いてないが(笑)

綴りが違っても発音が同じになる場合はもちろんあるが、この場合は明らかに発音が異なる。"Copain"は「コパン」で正しいが、"Copine"は「コピーヌ」だ。両方とも「仲間」「友だち」の意味で、前者が男性を指し、後者が女性を指す。

名づけた人は、「コパン」という単語を重ねると可愛らしいイメージになると思って考案したのだろうが、それならば"Copain Copain"にしなくては。

http://www.negishi.co.jp/copaintenpo.html

ちなみに、フランスの有名服飾ブランド"cop. copine"(コップ・コピーヌ)も同じ意味で、"cop."は"copain"の省略表現。

http://www.cop-copine.com/
 

リクエストにお応えして(笑) 2004年12月28日(火)

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【LeSportsac レスポートサック レスポのバッグ】

こちらを訪問してくださった703xさんからのリクエストにお応えしようと思う。これは誰でも知っている有名バッグメーカーの名前。アメリカのメーカーだから英語読みにしてしまうのは避けられないのだろうが、アメリカだってフランス風を気取るなら、フランス語読みにしてもらいたいところだ。そして造語だからいいじゃん!と言われればそれまでだが、「レスポート」はどうにも気持ちが悪い!

“Le sport"(ル スポール)「スポーツ」と“sac”(サック)「バッグ」を組み合わせた造語であるのは間違いない。「スポーツバッグ」という意味をフランス語風にしたブランド名というわけだ。でも正しいフランス語だと「スポーツバッグ」は“le sac sport”となる。

私はこのブランドが好きで、バックをいくつも買ったが、自分の頭の中では「ル スポール サック」と呼んでいるので、声に出すときはいつも「一般にはなんて呼んでいるんだっけ?」と迷ってしまうくらいだ。ましてや、横行している「レスポ」という略称など、間違っても口にしたくない!

なお、公式サイトでは「レスポ」という略称はいっさい使っていない。

http://www.lesportsac.co.jp/
 


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