笑えるフランス語

街やWebで見かけた困ったフランス語をご紹介
笑えることが少なくなることを願って…

通じません 2007年02月04日(日)

  【Les Bonnes Épices ボンエピセ】

レストランの名前だが、見事に規則を無視した発音間違いの例。
Les Bonnes Épicesをすべて読むと「レ ボンヌゼピス」が正しい。「レ」は冠詞なので、カタカナにしたときにわずらわしいから省いてしまったもので、これは構わないだろう。

"Bonnes"は「ボンヌ」であって「ボン」ではないが、「ヌ」が極めて軽い音なので、聞き取れない場合もあるだろう。けれども、"Épices"は「エピス」であって、「エピセ」とは絶対に読まない。しかも"Bonnes"と"Épices"が並ぶと、発音されなかったBonnesの最後のsが隣の音とくっつき、「ゼ」の音が出るようになるのだ。

確かに「ボンヌゼピス」じゃ、レストランの名前として語呂が悪すぎるけれど、あまりにフランス語を崩してしまうのもなあ…

ちなみにBonnes Épicesは「美味しいスパイス」の意味。

http://www.asamabiyori.com/valentine2005/index.html (ページ下部)
 

発音しにくいのかなぁ… 2007年02月03日(土)

  【acteur アクチュール】

非常に有名な映画雑誌で、内容も優れているのだが、前々からこのタイトルだけは、どうも気になる。この単語は私の知る限り、英語にはないので、フランス語のacteur(俳優)と考えてよいだろう。それならば読み方は「アクトゥール」である。含まれる「ウ」の音は日本語の「ウ」より口を広く開けるので、「アクテール」とか「アクタール」と聞こえる場合もあるかも知れないが、絶対に「アクチュール」とは聞こえない。「チュール」と「トゥール」とでは、フランス語ではまったく違う発音で、スペルも異なる。

http://www.kinejun.com/acteur/index.html
 

存在理由があるのか? 2006年02月16日(木)

  【LAISON DETRE/レイゾンデイト コンセプトは「存在理由…」】

ヴィジュアル系バンドの名前だ。固有名詞だから、どうもじろうと勝手だろうし、オフィシャルサイトを見ても、バンド名がフランス語に由来しているとは書かれていないから、構わないと言えば構わない。それでも、バンドのコンセプトが「存在理由」とくれば、明らかにフランス語の借用であることがわかり、私としてはつい文句のひとつも言いたくなるのだ。

「存在理由」という意味のフランス語は、"raison d'être"と書く。頭の文字はLではなくRが正しい。"d'être"の部分は、もともとdeとêtreという2単語が省略されたものなので、省略記号「'」が必須である。êtreの記号が省かれているのは、大文字だから、ありうることだ。

そして、もうひとつの問題は読み方。「レゾン デートル」とするのが正しい。「レイゾン」とか「デイトル」などと「イ」の音が入るのは間違い。最後の「ル」の音は、実際に発音すれば、微かにしか聞こえないが、それでも「ト」まででやめてしまうのは明らかな間違い。

http://www.visunavi.com/artist/preview.php?id=1061
 

さあ、シーズンだ!(笑) 2006年01月26日(木)

  【『プチタッセショコラ』フランス語で「小さなカップ」を意味するプチタッセ。】

バレンタインが近づくと、チョコレートが出回り、またぞろ笑えるフランス語のお出ましだ。

「小さなカップ」は、«petite tasse»と書く。この読み方は決して「プチタッセ」ではなく、「プティット タス」である。「プチットタス」でもよいが、「プチ」はまずい。「プチ」と読むのは«petit»というスペルだ。以前も書いたと思うが、フランス語では語末のeの文字には音がないので、«tasse»は決して「タッセ」とは読まない。こんなのは、初級レベルの間違いなので、どうにかしてもらいたい!せっかく素敵なチョコレートなのに…

http://www.marui-imai.co.jp/sapporo/s_lh_aft-t/s_lh_aft-t_5.html
(中段の説明文)
 

クリスマス定番の間違い 2005年12月23日(金)

  【ブッシュ・ド・ノエル・ア・ラ・グラッセ  意味はフランス語で「クリスマスの薪」、グラッセはアイスのことです】

毎年クリスマスが近づくと「ブッシュ・ド・ノエル」というケーキ名が巷に氾濫する。スペルは《bûche de Noël》で、発音表記は「ビュッシュ・ド・ノエル」とすべきだ。正しく「ビュッシュ」と書いてある場合もあるが、発音しにくいせいか「ブッシュ」が圧倒的だ。たまに、「ビッシュ」と書かれているものも見かけるが、「ブッシュ」よりま原音に近いので、まだこちらのほうがましだ。

そして、「グラッセ」はアイスのことではない。アイスなら「グラス」だ。《glace》と書く。「マロングラッセ」などに使われている「グラッセ」は、《glacé》というスペルだし、名詞ではないので、「ア・ラ・グラッセ」という言い方は存在しない。

つまり、このケーキの名を正しい発音に近い表記にするなら、「ビュッシュ・ド・ノエル・ア・ラ・グラス」となるはずだ。

http://auction.woman.excite.co.jp/pitem/41565308
 

仕方ないのかなぁ… 2005年09月18日(日)

  【Petite BelleMaison プチベルメゾン】

私のところにもある有名な通販会社の雑誌。
綴りは正しいけれども、"petite"の発音は「プチ」ではなく、「プティット」だ(百歩譲って「プチット」)。「プチ」と書けるのは、"petit"という綴りでなくてはならない。

今やなんでもかんでも「小さい」とか「かわいらしい」とか「ちょっとした」という意味で「プチ」が使われているので、それに倣ったものだろう。けれども、「形容詞の性数変化」という約束事があるフランス語では、"petit"と"petite"とは厳密に発音し分けなければならない。

確かに「プティットベルメゾン」じゃ、言いにくいので、短くしてしまったのだろうが…
"Seven Stars"というタバコがカタカナでは「セブンスター」となるのと同じ発想かな?「セブンスターズ」では商品名として語呂が悪いと思うのだろう。

http://www.bellne.com/pc/special/petite/petite_top.htm
 

カバン屋と間違えるぞ! 2005年08月15日(月)

  【カバン ド ズッカ CABANE de ZUCCa 『ズッカの小屋』を意味する】

本家本元のCABANE de ZUCCaのサイトでは、読み方も意味も書いてない。フランス語かどうかも説明されていない。それなのに、取り上げたページばかりでなく、どこのサイトでも、このブランド名をカタカナで表記するときは「カバン・ド・ズッカ」としてある。

cabaneというスペルと、deという前置詞から考えればフランス語だろう。フランス語前提ならば「カバン」はやめて!「カバーヌ」または「カバヌ」が正しい。これも実際の発音を聞くと、最後の「ヌ」はほとんど聞こえないくらいなのだが、表記としては、やっぱり「ン」は変だ!好きなブランドだけに、不愉快だ。

http://www.roppongihills.com/jp/shops_restaurants/details/shop.php?id=101550018
 

摩訶不思議な発音 2005年08月08日(月)

  【Soyeux Voile ソワジュ ボワーレ 「ソワジュ ボワーレ」とはフランス語で「絹のベール」の意味。】

発音間違いは星の数ほどあるが、これほどひどいのも珍しい(^^;;
《soyeux》は「ソワイユ」と読む。いったいどこから「ソワジュ」なんて読み方を見つけてきたのだろう?想像を飛躍させてみよう。例えば《les yeux》は「レズィユ」と読む。「レジュ」と簡略的に書くこともあるから、《yeux》の部分は「ジュ」と発音するのだと思いこんだのかも知れない。もしそうだとしても、これは大勘違いである。《les yeux》はふたつの単語をバラバラに読むと、「レ」と「ィユ」なのだ。つなげて読むときには、単独では発音しなかったlesの最後のsが発音されて「レズィユ」という音になる。したがって、yeuxだけを「ズィユ」と読むことは絶対にあり得ない。

《voile》は「ヴォワル」(百歩譲っても「ボワール」)であって、「ボワーレ」ではない。

そして、「絹のベール」という意味にしたければ、《Voile Soyeux》という語順にしなければならない。

http://www.wataiku.com/wataiku09.html
 

ちょっとねぇ…気恥ずかしい 2005年07月21日(木)

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【Château d'or シャトー・ドール】

いや、フランス語自体は正しいのだ、スペルも読み方も。

でも意味は「黄金の館」、「金の城」の意味なのだ。そんな名前をつけては絶対にいけないとは言わないが…
これはアパートの名前!新築だし、結構洒落た外観だし、アパートとしては確かに高級かも知れない。

でもでも、やっぱりアパートに過ぎない。この名前は私なら恥ずかしくて、住所にアパート名を書いてフランスに手紙は出せない(^^;;
 

微妙に違うぞ 2005年07月21日(木)

  【おいしい生活 セ・トレボン Cést Tres Bon】

グルメ関係の通販サイトの名前である。ロゴを見ると、一見正しそうに見えるが、実は間違っている。

《Cést》は間違い。《C'est》が正しい。違いがわかるだろうか?eの上に記号がつくのは間違いで、Cとeの間にアポストロフ(アポストロフィー)がつくのが正しいのだ。これは、Ceという単語の次にestが続き、Ceの語末の1文字が省略されているわけで、省略記号のアポストロフをつけるべきなのである。

《Tres》は、記号がつく単語である。正しくは《Très》となる。

《C'est très bon!》は、「とっても美味しい!」という意味だ。

http://www.tresbon.jp/index.html

ちなみにインフォメーションのページの、テキストでサイト名が書いてあるところは、正しそうに見えるが、アポストロフでなくアクサン・テギュが使われているようだ。微妙なのでよく比べて欲しい。
(正)C'est
(誤)C´est
 


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