笑えるフランス語

街やWebで見かけた困ったフランス語をご紹介
笑えることが少なくなることを願って…

季節のネタ 2004年12月18日(土)

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【Present de Noël】

買い物をしたらくれた抽選補助券。「クリスマス・プレゼント」の意味なのだろうが、見事に英仏折衷!フランス語では「クリスマス・プレゼント」は“Cadeau de Noël”(カドー ド ノエル)。そして、いろんなプレゼントが当たるから、厳密には複数を用いて“Cadeaux de Noël”となる。cadeauを使うと一般に人には意味がわからないので、英語のpresentを用いたものと思われる。

実は、この単語を英語からの外来語として、プレゼントの意味で用いることはある。けれども、フランス語になれば、“présent de Noël”(プレザン ド ノエル)と、記号がつかなくてはならない。

季節限定ページだろうが、Webにも載っている。
http://www.odakyu-ace.jp/hotnews/hot.html
 

書けません! 2004年12月04日(土)

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【PRET-À-PORTER】

実物と同じようには表記できないので、写真を見ていただくしかないが、ありえない文字が書かれている(^^;;

正しくは《PRÊT-À-PORTER》(プレタポルテ)で、Eの上に^がつく。「アクサン」と呼ばれる記号は、すべて母音字の上につくのであって、決してTなどの子音字の上につくことはないのだ。看板を注文したときは正しいつづりだったけれども、看板屋さんが間違えたのかも知れない。でも間違いを指摘する人が、この会社にはいないということだよね…

何度もこの会社の前を通って、気になっていたのだが、今日ついに写してきた(笑)
 

お願いだからやめて! 2004年12月04日(土)

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【Bon Voyage ボン・ヴォヤージュ フランス語で、「よい旅を!」】

よくある間違いなので、普通なら目をつぶるのだが…今回ばかりは(-_-;)
来週公開される映画の大々的な宣伝が行われている。有名な俳優さんたちがたくさん出演するようだ。でも“voyage”の発音は「ヴォヤージュ」ではなく、「ヴォワイヤージュ」である。確かに「ヴォワイ」の部分が一気に発音されるので、はっきり「ヴォワイヤージュ」と聞き取れないかも知れないということはある。それでも「ヴォヤージュ」ではない、むしろ「ヴァヤージュ」に近く聞こえるはずだ。音声をアップしたので、実際に聞いてもらいたい(一番上のリンクをクリック)。

http://bonvoyage-cinema.jp/
 

そんなに堂々と付けちゃって…(^^;; 2004年11月03日(水)

  【libré リーブル フランス語で「自由」という意味です。 英語ならlibertyですね。ちなみに某国語で「ただ」という意味だそうです。


アクサンをつけない間違いは星の数ほども見かけるが、これは必要ないのにつけてしまった珍しい例。「リーブル」と読ませるのなら、スペルは"libre"が正しい。が、それでもまだ意味が間違っている(笑)"libre"は形容詞なので、「自由」ではなく「自由な」の意味である。英語の"liberty"にあたる名詞なら、フランス語では"liberté"ですよ。

「某国語で」と説明にあるが、これはどういう意味だろう?"Entrée libre"(入場無料)という表現が、ちゃんとフランス語にはあり、"libre"は文脈によって「無料の」という意味で使えるのだ。

http://www.libre.fm/miseshoukai.htm
 

はしょるな! 2004年10月24日(日)

  【Répertoire ダイニングルーム レペトワ Répertoire「レペトワ」とはフランス語で"レパートリー"のこと】

あらあら、ずいぶん端折っちゃって…
正しい発音表記は「レペルトワール」。[r]の音が全部抜けてしまっている。先日も書いたように、確かにフランス語の[r]の音は、日本人には聞き取りにくく、語の頭に来ない限り、あまりはっきり聞こえないのも事実だ。そうは言っても、完全に音がないように表記するのは、やはり考え物だ。例えば、《trois》は「トワ」に近く聞こえるが「トワ」ではない。そう表記できるのは、toi, toitなので、troisはやはり区別して「トロワ」や「トルワ」と書くべきだろう。

http://www.seiyo-ginza.co.jp/restaurant/repertoire.html
 

英語の癖が抜けない(^^;; 2004年10月16日(土)

  【La Fontaine「ラ フォンティーヌ」マークは、登録商標です。〜わき出る泉を表現しています〜】

相変わらずの発音表記ミス。「ラ フォンテーヌ」が正しい。でも、これはある意味、伝統的な間違いかも知れない。

英語の発音の苦手なお年寄りが「ティ」が言えなくて「テ」となるのは、昔から笑いのネタになっている。例えば、第2次大戦時代に広く使用された消毒殺虫剤「DDT」を、「デーデーテー」と発音するとか…(古いね、どーも…)

そんなわけで、「テー」という音はカッコ悪く、「ティー」がスマートだという思い込みが人々の中にあることは否定できない。けれども、フランス語では「ティー」と「テー」のどちらの音も存在するので、きちんと使い分けなければいけない。「フォンティーヌ」という発音になる単語はフランス語には存在しないし、「フォンテイヌ」もない。あくまでも「フォンテーヌ」である。

http://www.la-fontaine.co.jp/index.htm
 

一流メーカーだけに… 2004年10月03日(日)

  【SEIKO ALBA LADIES INGENU セイコーアルバアンジェーヌ 「ingenu(アンジェーヌ)」とはフランス語で「無邪気な」という意味です。女性らしいカジュアルな遊び感覚を大切にした、ブレスレットウォッチ。】

どうしても、フランス語の間違いというのは発音関係のものが多い。正しいスペルは"ingénu"なので、アクサンが省かれているだけだが、発音は「アンジェニュ」が正しいので天と地ほども違う。「ジェ」のところに強調が置かれるのではなく、最後の「ニュ」の部分が強いので、むしろ「アンジェニュー」と書いてもよいくらいだ。「アンジェーヌ」と言えば、なんとなくフランス語っぽいという感覚はわからないでもないが、間違いは間違い。

そして、もし私が命名者だったら、"ingénue"(発音は同じくアンジェニュ)というスペルにするだろう。この単語は形容詞としても名詞としても使うのだが、最後にeをつけると女性形になる。「無邪気な女性」をイメージさせたいなら、女性形にしたほうがいいし、「腕時計」という単語がフランス語では女性名詞なので、それを形容する言葉としても女性形にするとよいと思う。

http://shop.neel.jp/alba/ingenu/
 

造語って言えば何でも許されるのか! 2004年09月25日(土)

  【Les.R(レ・アール)フランス語で"les. halle"という意味が中央市場で、(中略)造語で"Les.R"という名に決定 】

偶然TVを見ていたら出てきた新進女性デュエットのユニット名。中央市場は“Les Halles”とsがつくのが正しい。スペルを見てもわかるように、元々のフランス語のHallesに含まれる子音は、発音記号で書くと[l]である。けれどもカタカナで同じだからという理由で、“R”という文字を用いることにしたようだ。もちろんフランス語ではRを「アール」とは読まない。「エール」であり、しかも含まれている子音は、発音記号では[r]だ。あまりに無理矢理のこじつけではないか。仏・英・日をごたまぜにしているわけで、日本語では[l」と[r]の区別がないから構わないでしょ、という感覚なのだろう。私としては我慢ならない。Lesのあとのピリオドも不思議すぎる。ともかく、このユニット名は、外国語と思わず模様とでも思うしかない(^^;;;

http://www.lesr.jp/
(説明はBIOGRAPHYのコーナーにあり)
 

初の投稿ネタ!(k_noireさん提供) 2004年09月20日(月)

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【lu cafe de derrière 西麻布ドゥリエール】

証拠写真とともにネタを送っていただいた(笑)喫茶店の名前だそうだ。luは明らかにleの間違い。フランス語では、leを「ル」と発音するのだが、ローマ字感覚でluとつづり字を間違ってしまうのだろう。大事な冠詞なのだから、おろそかにしてもらいたくない。しかも発音が「ドゥリエール」?正しくは「デリエール」ですよ。

http://www.derriere.co.jp/
お店は上記の姉妹店。背景に写っている店の日除けを見ると、《RUELLE DE DERRIÈRE》と書かれている。「裏小路」といった意味である。ruelleが「小路」、de derrièreが「裏側の」という意味なので、これなら可笑しくはない。
http://www.derriere.co.jp/shop.html
しかし、こちらを見ると、あーあ「ルエル・ド・ドゥリエール」となっている、トホホ…正しい発音は「リュエル・ド・デリエール」ですよー!「フレンチシノア」などという英仏混在の奇妙な表現も使ってあるし、この会社の人の言語感覚はいったいどうなっているのだろう。送っていただいた写真でも、caféのアクサンがついたりつかなかったり、まちまちだし…

さて、実はもうひとつ大問題がある。derrièreだけを取り出して店の名前と称するのは、私の考えでは信じがたい暴挙だ!だって、derrièreだけだと、名詞では「お尻」という意味だもの!この単語は前置詞として使う場合は「〜の後ろに」という意味だが、店の名前として掲げるのなら、真っ先に名詞のほうの意味が頭をよぎる。8月23日のネタに挙げた《Au petit Coin》がもし隣にあったら、相当笑える眺めだろう。
 

もう訂正不可能(^^;; 2004年09月18日(土)

  【「ミルフィーユ」 フランス語でミルは千,フィーユは葉で,この菓子の名前は千枚の葉を意味する。 】

あまりに浸透しすぎて、正しい発音が普及するのは望めそうもないという例のひとつ。つづりはmillefeuilleで、意味は上記で正しい。milleとfeuilleの合成語である。確かにfeuilleの発音は中間的な母音が含まれているので難しい。もっとも近い表記は「フイユ」(イを小さくしてはダメ)であって、「フィーユ」でも「フィユ」でもない。実際に耳にすれば「フイユ」と「ファイユ」の中間くらいの音に聞こえるだろう。

「フィーユ」はどうあっても変だ。そう表記するのは、filleという単語であって、これは「女の子」という意味。「ミルフィーユ」という言葉を聞くと、いつも女の子がぞろぞろ千人も並んでいる姿が目に浮かんでしまう(笑)

ただ嬉しいことに、正しく「ミルフイユ」と表記してある例も少数だがWeb上には見られる。

http://g.pia.co.jp/Wonderland/jiten/10.html
 


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